大人の女に手を出さないで下さい
終始洗練された佇まいにスマートな対応で歳は40代後半くらいだろうか?壮年の余裕を感じさせられた。
おまけに色香漂うイケメンときた。
ああいうタイプが梨香子は好きなのかな?と、ふと思う。
自分もそれなりに大人の男のつもりだがあの佇まいは年を重ねないと身に付かないものなのだろうか?

「………なっ!なんだよ」

ジトっと視線を感じて見れば社長の敏明が、ニヤリと笑う。
考え事をしていて父の存在を忘れていた。

「速水さんはなかなかいい男だな。ああいう男に憧れるか?」

「まあ…そうだな」

「おや、そこは親父の方が憧れてると言うところじゃないのか?」

「いや、遠慮しとく」

即答すればなんてつれないやつだと文句を言われた。
親父も年相応のいい男だとは思うが速水のような若々しさの残る壮年というより初老の老人?になりかかってる。父に対して酷い言いようだが今は恋のライバルで負けたくない相手。
尊敬はしているが調子に乗るから言うのはやめておくとしよう。

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