賽の河原で鬼さんこちら
答えながら、大鬼は思う。

ここにいるのが自分の役割だ。

他の場所など、ましてや極楽など。

自分にはまるで縁のない場所だ。

ここが自分の居場所なのだ。

そして、少女にとってはそうではない。

目指すべき場所がある。

そこに向かうべきだった。

辿り着けたのだ。

それなのに、




「じゃあ私も行かなくていいよ」




少女は、にへらと笑うのだ。


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