賽の河原で鬼さんこちら
大鬼は優しく少女の手を握り返す。

潰れないように、そっと。

普段塔を崩してばかりでいた自分に、こんな力加減ができたのかと驚きながら。


そして二人は、歩いてきた道を戻り始めた。

あの歌を歌いながら。
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