人生の続きを聖女として始めます
「ジュリ様?」
「ん、ああ!はい。ごめん、考え事してた」
「お顔の色が優れませんが……」
リブラは自分が蒼白なのにも拘わらず私を気遣った。
「大丈夫。それより、どうしてこの件がそこまで陛下の逆鱗にふれるの?それに、あなた達の怯え方が普通じゃないんだけど?」
「なぜ陛下がこの件について感情的になるのかはわかりません。ですが、これを口にするとどうなるかはわかります……」
「どうなるの」
私は思わず身を乗り出した。
「陛下の腹心、エスコルピオに殺されます……」
「エスコルピオ?」
「はい。彼がこの王宮にやって来たのは、ちょうど陛下の性格が変わった頃でした。それから影のように付き従い、意に沿わぬものを粛清しています。現在は王子の護衛を担当していて陛下の側にはいませんけどね」
「ふぅーん、そのエスコルピオを恐れているわけね」
「はい。彼はどこからともなく現れるのです。まさに、神出鬼没……それで、このように皆用心深くなるのです」
リブラは一息つくと、テーブルの冷めたお茶を一気に飲み干した。
その時、部屋の外から突然話し声が聞こえてきた。
直後、ガタン!と何かが扉にぶつかる音に、リブラは飛び上がって驚いている。
私とリブラは、扉を凝視したまま動けず、成り行きを見つめた。
すると、今度は控え目にノックの音がし、次にヴィスの声が響いた。
「ん、ああ!はい。ごめん、考え事してた」
「お顔の色が優れませんが……」
リブラは自分が蒼白なのにも拘わらず私を気遣った。
「大丈夫。それより、どうしてこの件がそこまで陛下の逆鱗にふれるの?それに、あなた達の怯え方が普通じゃないんだけど?」
「なぜ陛下がこの件について感情的になるのかはわかりません。ですが、これを口にするとどうなるかはわかります……」
「どうなるの」
私は思わず身を乗り出した。
「陛下の腹心、エスコルピオに殺されます……」
「エスコルピオ?」
「はい。彼がこの王宮にやって来たのは、ちょうど陛下の性格が変わった頃でした。それから影のように付き従い、意に沿わぬものを粛清しています。現在は王子の護衛を担当していて陛下の側にはいませんけどね」
「ふぅーん、そのエスコルピオを恐れているわけね」
「はい。彼はどこからともなく現れるのです。まさに、神出鬼没……それで、このように皆用心深くなるのです」
リブラは一息つくと、テーブルの冷めたお茶を一気に飲み干した。
その時、部屋の外から突然話し声が聞こえてきた。
直後、ガタン!と何かが扉にぶつかる音に、リブラは飛び上がって驚いている。
私とリブラは、扉を凝視したまま動けず、成り行きを見つめた。
すると、今度は控え目にノックの音がし、次にヴィスの声が響いた。