私が王子の彼女役? (365枚のラブレター もう1つの恋)
☆エイトside☆
ビックリした
まさか舞が
『マトイ』なんて名前を思いつくとは
『愛を纏う』
それを聞いた時には
すっげー良い名前じゃんって思った
たくさんの愛に包まれて育つように
その赤ちゃんの名前は
『マトイ』で良いじゃんと思った
それなのに……
舞は赤ちゃんのお母さんと仲良くなったみたいで
俺から離れて
赤ちゃんを抱っこさせてもらっている
「エイト~」
山花族で一番仲のいい
一つ年上のナガレが
ニヤニヤしながら近づいてきた
「長かった髪、どうしちゃったんだよ」
「別に、
邪魔だったから切っただけだし」
「あやしい~
それにさ、マトイって名前を全力で否定して
自分の子供につけたいって思ったんだろ?」
俺の思ってることを言い当てられて
俺はアタフタしてしまった
「は?
そんなわけないじゃん……
ち……ちがうし……」
「エイトも、こんなかわいい顔するんだな
そんだけあの舞って子に、本気なわけか」
「あいつは、本物の彼女じゃないし
彼女役、やってもらってるだけだし
彼女役ってこと
みんなには、内緒にしろよ」
「みんなに言うつもりはねえよ
ただ……
エイトは大丈夫なのか?
あの子のことマジなんだろ?
3月の許嫁との婚約の前に
あの子のこと切れるのか?」
「わからない……
今は一緒にいたくてたまんないからな
舞と一緒にいられる日々が
一日でも長く続いて欲しいと思ってる
でもいずれ俺は
舞から離れなきゃいけないときが来るんだよな」
「今日のエイトは、やけに素直じゃん」
「は!ナガレが変なこと言うからだろ」
「ま、悩んだらまたここに来いよ
話くらい、聞いてやるから」
「ナガレ……ありがとな」
舞と離れる日が来る……
考えたくもないが
いつかはその日がやってきてしまう
俺は
魔法界の国王になるために
許嫁のカノンとともに
生きていかなきゃいけないのだから……
☆☆☆
クスノキまで舞を送り届けて
俺は聞いてみた
「明日って舞の学校休みだろ?
午前中って暇か?」
「特に予定はないけど」
「じゃあ、とっておきの場所に連れてってやる
朝8時にいつもの場所に来い」
「朝、早すぎじゃない」
「それと、水着持って来いよ!」
「み……水着???」