私が王子の彼女役? (365枚のラブレター もう1つの恋)

エイト
どんな気持ちでキスをしてくれたの?



彼女役だから?



どれとも
私のことを少しでも
好きって思ってくれたから?



私はどんな顔でエイトを見つめていいかわからず
うつむいてばかり



「もうこんな時間かよ
 舞に、見せたいものがあったんだった
 
 濡れたままだと風邪ひくからさ
 着替えて来いよ

 それで
 砂浜に横たわった
 あの木に座って待ってて」



エイトは私の顔を見ないまま
遠くへ走って行ってしまった



私に見せたいものって何だろう



「舞、お待たせ」



そう言うとエイトは
さっきのことはなかったかのような
さわやかな笑顔を私に向け
隣に座った



「舞、海の方を見ててな」



エイトに促されるまま海を見つめると



20個ほどの水柱が
竜巻のようにグルグルと渦を巻いている

雲に届くほどの高さだ



「しかっり見てろよ」



その渦を見つめていると

急に
水柱どうしがぶつかり合い

一気にはじけて
キラキラと水晶のように輝くしずくが
海へと落ちていった



「きれい…」



「だろ!
 俺さ、4歳までは親父の肩車で
 よくこのキラキラを見せてもらってたんだ

 舞も絶対に喜ぶと思って」



子供みたいに
無邪気な笑顔を私にむけるエイト



どうして私を喜ばせようとしてくれるの?



どうして私が笑うと
そんな嬉しそうな顔をしてくれるの?



エイトのことを好きなのに
好きになっちゃダメなんだよね?

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