私が王子の彼女役? (365枚のラブレター もう1つの恋)
☆舞side☆
「エイトに返し忘れちゃったな」
昼休み
学校の中庭のベンチに座り
ネックレスを太陽の光にかざした
紫の石が
宝石のようにキラキラと輝いている
エイトのことは
好きにならないようにしなきゃって
頑張ったつもりだった
魔法界の王子さまと
私が付き合えるわけもなく
私も私で
人間界で暮らしてくれる魔法界の人しか
好きになることを許されない
好きになってはダメと思っていても
エイトの笑顔をみると
止められなくなっちゃうんだ
もっと一緒にいたい
ずっと一緒にいたいって
これで……
良かったんだよね……
空を見上げ
昨日の晩にエイトと見た星空を
思い出していると
「そのネックレス、
フレンチラベンダーみたいな色だね」
おっとりと微笑んで話しかけてきたのは
同じクラスの
藤宮 柚葉(ふじみや ゆずは)君だった
クラスでも目立つタイプではない柚葉くん
でも
誰にでも柔らかい笑顔で
優しく微笑むから
このクラスにも4人くらい
柚葉くん狙いの女子がいる
学校の花を1人で育てていて
柚葉くん目当てに手伝う女子もいるほど
「フレンチラベンダー?
その花の名前、初めて聞いたよ」
「花はペンダントみたいに
濃い紫だったりするんだけど
先端にウサギみたいな形の
葉っぱがついてるんだよ」
「ウサギの形?」
私には全く想像ができない
「俺の家に咲いているから
今度高梨さんにあげるよ」
「あ…ありがとう」
今まで、同じクラスの柚葉くんとは
おしゃべりなんてしたことがなかった
でもこうして話してみると
柚葉くんの波長が心地よく感じる
きっと
柚葉くんの雰囲気が
クララに似ているからだろうな……