私が王子の彼女役? (365枚のラブレター もう1つの恋)

☆舞side☆

「舞!舞!今すぐ起きて」



お母さんが1階から叫ぶ声がする


今何時?まだ深夜1時じゃん



「カノン以外、好きになるつもりないから」

とエイトに言われたのは7時間前



もうエイトのことは
忘れなきゃと思えば思うほど

人食い花から私を守ってくれた
エイトの後姿が目に焼き付いていて
なかなか寝られなかった



やっと寝られたのに

こんな時間に起こすなんて
お母さん、何なのよ



布団を頭までかぶって
もう一度寝ようとすると
お母さんがまた叫んだ



「クララちゃんが、帰ってきたのよ」



え?



クララが帰ってきた?





ガバ!

掛け布団を跳ね上げると
私は急いで1階へ駆け下りた



玄関に立っていたのは
わたしがずっとずっと会いたくて
心の底から謝りたかった大親友



「舞ちゃん、会いたかったよ」



クララの今にも泣きだしそうな顔を見たら
私の方が先に泣き出してしまった



「クララ……クララ……」



「もう、ご近所さんにご迷惑だから
 クララちゃんもお家に入りなさい

 何があったかしらないけど
 二人とも今日はもう寝なさいよ」



私たちは促されるまま
私たちの部屋に行った



「この部屋は、一年ぶりだ」



「クララがいつ帰ってきても良いように
 部屋はそのままにしておいたから」



「舞ちゃん、ありがとう」



私を見つめ、心から微笑むクララ



私はクララに感謝される資格なんてないよ……



クララが消えたのは
私のせいでもあるんだから……



「ありがとうなんて言わないで……

 私クララに、ひどいことたくさんしてたの

 クララに……

 すっと謝りたくて……」



ヒックヒック泣く私の背中を
優しくさすってくれるクララ



「私ね、ずっとクララに嫉妬していたの

 私は高校卒業まで恋なんてできないのに
 歩君にまっすぐ恋をしてるクララが
 うらやましくてしょうがなかった

 二人の恋を応援してるふりをして
 別れちゃえばいいと思っていたこともあったの

 そしたら、本当に二人が別れちゃって……

 でも、クララには消えて欲しくなかった

 だって、学校で独りぼっちだった私に
 初めてできた友達だったから」



「舞ちゃん
 私のために毎日魔法界に行ってくれてたでしょ

 私を戻してって
 国王様に会いに行ってたんでしょ」



「でも、国王様に会えたことなんて
 一度もないの

 私、クララのために何もできなくて……」



「私は
 舞ちゃんにものすごく感謝してる

 魔法界から人間界に来て寂しいときも
 歩君が離れて行って辛いときも
 励ましてくれたのはいつも舞ちゃんだったから

 舞ちゃんがいてくれたから
 私、人間界で頑張れたよ」



「でも……」



「それにね
 舞ちゃんが恋がしたくてもできないって
 知らなくて

 歩君と幸せだった時も
 舞ちゃんにいろいろ報告してたよね

 私の話を聞いてるの、辛かったでしょ

 私こそごめんね」



「クララ……」



「舞ちゃん
 これからも私の隣にいてくれる?」



「もちろんだよ 
 クララ、お誕生日おめでとう!
 大好きだから」



「私も舞ちゃんが大好き」


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