私が王子の彼女役? (365枚のラブレター もう1つの恋)

人間界一日目


俺は舞に会える嬉しさで
朝から顔が緩みっぱなしだ



言霊神社について
俺は肝心なことに気づいてしまった



もう舞は俺のことなんか
嫌いになっているかもしれない



クララが戻ってきたことで、
魔法界と人間界の者同士の恋愛が自由になった


だからもう
俺なんかのことは忘れて
人間界で好きな人が
できてしまっているかもしれない



急に舞に会うのが怖くなり
言霊神社の拝殿にパンパンと手を合わせた


『どうか舞が
 まだ俺のことを好きでいてくれますように』




高校につき職員室に行くと
先生が教室まで案内してくれた



クラスは舞と同じはず

舞はどこだ?



あ!いた!



クラスの女子たちが
「カッコイイよね」
と俺を見てザワザワ騒いでいるのに

舞だけは前から2番目の窓際で
ぼーっと外を眺めている



「黒岩マトイです みんな、よろしくな」



俺の名前を聞いて
窓の外を見ていた舞が
黒板の前にいる俺を見た



やべ!

舞と目が合ってる!



魔法にでもかかっているかのように
ずっと会いたかった大好きな人から
俺は目が離せられなかった



でも舞は
俺を一目見ると
また窓の外を眺め出した



ま、しょうがないか

見た目が違うんだから
舞も俺に気づかないよな



「じゃあ黒岩君は
 廊下側の一番後ろの席に座って」



女子たちが俺を食い入るように見ている中
舞だけは俺を見ようともしない



休み時間になったら舞に声を掛けるぞ!

俺はそう思っていた


それなのに……



「マトイ君、どこから引っ越してきたの?」

「家はどこ?」

「兄弟っているの?」

クラスの女子たちが
休み時間ごとに俺を取り囲んでくる



こんなんじゃ
舞に話しかけられないじゃん!



でも
人間界で問題行動をとるわけにはいかない



とりあえず俺は
取り巻き女子に笑顔を振りまいて
放課後に舞に話しかけることにした



学校が終わり
俺はかばんに荷物を詰めて
舞の所へ行こうとしたが……



え!


ええ!!


もう舞が、帰っちゃったんだけど……



俺の貴重な一日が
舞に話しかけることなく
終わったんだけど……




「マトイ君、家はどこ?」

「一緒に帰ろうよ」

また女子たちに囲まれたが
一人になりたくて
即席王子スマイルできりぬけた



「今日は緊張して疲れたから、一人で帰らせて」



はあぁぁぁぁ


明日はなんとか話しかけなきゃ



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