私が王子の彼女役? (365枚のラブレター もう1つの恋)


「まさか
 エイト王子が入学式に来てくれるなんてね」


「カッコよかったよね!

 もうすぐ、カノン様と
 正式に結婚するって噂だよね」



クラスの女子たちは
エイト様の話題で持ち切りだ



エイトを見たのは2週間ぶり



今でも忘れられない相手だけど
もう前よりは吹っ切れている



まだ、エイトへの思いは消えないけど
もうエイトとは結ばれることはないって
自分も納得したんだと思う。多分



それに
エイトの祝辞を聞いてなんか感動しちゃった



魔法界の人専用の寮を
そんな大切な場所って思っていてくれたんだね



エイトが言ってくれたように
人間界の寮で暮らす人に
安心を与えられるような人になりたいな!



頑張ろう!

今日から一生懸命勉強するぞ!





「舞、同じクラスだね」


自分の席に座っていると
朝、一緒に学校まで歩いてくれたクウリ君が
話しかけてきた



「クウリ君
 あ、タケル君たちも一緒のクラスなんだね
 これからよろしくね」



「舞さ、俺たち4人の中ならだれがタイプ?」



「え? 
 急にそんなこと言われても……

 何?何?
 何かのゲームでもしてる?」



「ゲームじゃないし

 じゃあ、タケルと俺なら、どっちがタイプ?」



クウリ君が真剣な瞳で私を見つめてくる



なんて答えればいいんだろう……



「クウリさ、俺を使わずにちゃんと伝えろよ」



「あ、ああ

 舞、
 今日の朝、一目惚れした

 俺と、付き合ってくれない?」



え?



えええええええ?



一目惚れって!



私に????




どうしよう……

なんて答えよう……



一目惚れしてくれたことは嬉しい

クウリ君のことも嫌いじゃない



でも……



もう諦めているはずなのに
さっき祭壇にいたエイトの笑顔が
私の瞳の奥に焼き付いている



「舞、俺と付き合って」



柴犬のようなウルウルな瞳に見つめられ
私はどうしていいか
わからなくなってしまった



言わなきゃ


私には好きな人がいるって


叶わない恋でも
まだその人を好きでい続けたいって




「ごめん、付き合うのはムリ」



え?


答えたのは、私じゃない……


こ……この声?まさか?




「こいつは、俺だけのものだから」




急に後ろから抱きしめられて
懐かしい匂いに包まれた



「エ……エイト!!」



クラスメイト全員の視線が
私に突き刺さっている



「エイト……なんで?

 どういうこと?」



「舞、学校終わったらいつもの場所に来いよ」



「え?え?

 カノンさんは?

 もうすぐ結婚するんでしょ?」



「あいつとは別れた

 詳しいことは後で話すから
 舞、絶対来いよ」



「う……うん」



そう言うとエイトは
クウリ君に『ごめんな』と伝え
瞬間移動でその場から消えた



目をキラキラさせて
私の元に女子たちが集まってきた



「舞ちゃん!!

 エイト王子との話、聞かせて!!!」

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