私が王子の彼女役? (365枚のラブレター もう1つの恋)

☆舞side☆

エイトがいつになく
真剣な顔で私を見つめた



『舞さ
 俺と一緒になったこと
 後悔してない?』


エイトが私に聞いてきた




後悔なんてしているわけがない



こんなにたくさんの
幸せを与えてくれる相手は
エイト以外いるはずがないから




私が口を開こうとしたその時



「久々に、花のボートでも乗るか」



エイトはそう言うと
ソフィアナ海に紫色の花びらのボートを
浮かべてくれた



そして二人で
ボートの上に横たわった




「エイト、懐かしいね

 一緒に花のボートの上で
 星を見たことあったよね」



「ああ」



「エイトが私に告白してくれたのも、
 お花のボートの上だった

 あの時は、ピンクのお花だったけど」



「ボートの上で、告白なんてしたか?」



「ひどいよエイト

 いくら7年前のことだからって
 あの日を忘れちゃうなんてひどい!」



「冗談だよ
 忘れるわけないじゃん

 ずっと思い続けていた舞が
 俺の物になった日だからな

 あの日感じた幸せは
 いっつも心の真ん中にあるよ」



陽だまりみたいな優しい眼差しで
微笑むエイト



「エイト、さっきの答えだけど……」



「ん?なんだっけ?」



「だから、さっき私に聞いたでしょ?
 『俺と一緒になって後悔していないか』って


 私、
 後悔なんてこれっぽっちもしていないよ」



「本当か?

 俺さ、たまに不安になるんだよな

 俺なんか選ばなければ
 もっと普通の生活ができてただろ」



「私ね、付き合いだした7年前よりも
 もっともっとエイトのことが
 大好きになってるよ

 魔法界の王子として
 国民のみんなに接するエイト

 マトイに甘々なパパをしているときのエイト

 そして7年前と変わらず
 私に幸せをたくさんくれるエイト

 どのエイトも大好き」



私がエイトを見つめて微笑むと
エイトは急にガバッと起き上がり

両手と膝をつき
仰向けで寝転がる私に、覆いかぶさってきた



「エ……エイト……

 マトイに見られちゃうよ……」



「大丈夫
 ボートの花びらで隠れてるから」



エイトの瞳に
私だけが映っている



エイトのまっすぐな視線が
私の視線と絡み合って
目をそらすことができない



「舞、大好きだよ」



エイトは私の耳元でささやくと
私の髪をなで
そして私に優しくキスをした

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