篠田くんの取扱説明書
…………
……え!!?
今、一瞬だけど、
ハグ…した?
呆然としてる私を放って、篠田くんはカバンを持ってその場を離れようとした。
「あ、篠田くん、タオル…!」
「乾くまで持ってれば?
別に使わねーから」
スボンのポケットを手を入れて、背を向けて歩いていく篠田くん。
……本当に、
篠田くんの考えてることが、わからない。
なんで、優しくしてくれるの。
カーディガンも、タオルも貸してくれた。
ハグ…は、どうしてなの?
一瞬でも、体を温めようとしてくれた…とか?
きっとそうだ。
……あぁ、もう。だめだよ、篠田くん。
私の頭の中、篠田くんでいっぱいになっちゃってるよ。