アナタと、キスと、銃声と。

はい、と翔平ちゃんが返事をすると扉が開く。


顔を出したのは長谷川だった。






「梨瑚さん、そろそろお帰りになりませんと」


「あ、もうそんな時間?」






制服のポケットに入ってある携帯を取り出す。


19時少しすぎ。


翔平ちゃんと話してると時間が経つのが早い…全然時間が足りない。








「翔平さんもお休みになりませんと」


「うん、もう帰るよ」






明日は学校が休みの曜日。


担当の先生に抜糸に来るように言われてる日だから、朝から来て、抜糸終わったら翔平ちゃんに逢いに来て。


頭の中でそんなことを考えながら立ち上がる。









「じゃあ、翔平ちゃん、また明日ね」








寂しいな…。


なんて思いつつ、わたしが居たら翔平ちゃんが休めないよねと考えて扉の方へ向かおうと背を向ける。


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