アナタと、キスと、銃声と。
携帯をひらいて、ひーちゃんにラインを返す。
文章を打っている途中で治療室がガラッと開いた。
顔を上げると翔平ちゃんが微笑んでいて。
ぱぱっと文を打って送信ボタンを押す。
「もう終わった?怪我、平気…きゃっ!?」
ポケットに携帯をなおしながら声をかけて。
いい終わらないうちに、翔平ちゃんの胸の中。
足は宙に浮いて。
…お姫様抱っこされてる!?
「学校サボったんだからもう戻らなくていいよな」
「え!?え!?…ちょっ」
「大人しくしてて、家に連れて帰るだけ」
「わたし、靴を…」
「…後で取りに行かせる」
だからそのままでいいとでも言うのね…。
いや、でも…。
「翔平ちゃん…」
「うん?」
「お、降ろして…」
「無理」
「だって、恥ずかしい…」
「知らない」