アナタと、キスと、銃声と。
若頭の翔平ちゃんには、部屋が与えられている。
何回も入ったことあるけど、この空間は翔平ちゃんの匂いがして好き。
黒革のソファーに並んで座る。
「早く上脱いで」
「いいんですか?」
「何回も言わせないで」
私がそう言うと、翔平ちゃんは着ていたスーツを脱ぎ始める。
ネクタイを緩める手。
ボタンを外す指先。
やばい…。
自分でやるって言ったけど。
心臓がドキドキ言いすぎて、翔平ちゃんに聞こえそう。
Yシャツのボタンをはずし終えて、バサッと脱ぐとあらわになる翔平ちゃんの肌。
やばい。
もうやばいしか言ってないけど、ほんとにやばい。
鍛えられた筋肉質な上半身。
鎖骨から肩、腕にかけて広がる大輪の花。
左右対称に広がり…それは。
背中までも覆っていた。
「…やはり」
「え?」
「刺青は苦手ですか」
優しく微笑み、わたしに問う。