アナタと、キスと、銃声と。

翔平ちゃんは、わたしを抱えたまま縁側に座り、膝の上にわたしを座らせる。


結んだ髪の毛の上から、リボンのついたゴムを軽く結ぶ。






「はい、これで終わりです」


「しょーへーちゃんあそぼ!!」






ぴょんっと翔平ちゃんの膝の上から飛び降りて、また庭を駆け回る。






「だから!靴履いてください!」






そんな翔平ちゃんの声なんて無視。


桜が舞い散る庭の中でわたしは走り回った。


走り疲れたあとは、翔平ちゃんと庭に植えてある花に水を上げたり。


みんなと一緒にお掃除したり。


そんな毎日。






「おい!!サツがうちに来るぞ!!!片付けにかかれ!!!!」






誰かの大きな声。


みんなが慌てたように家の中へと入っていく。






「お嬢、お部屋に行きましょうか」


「しょーへーちゃんも行っちゃうの?」






庭の隅でアリを見つめていたわたしを抱きかかえた翔平ちゃんの顔が曇っていた。


翔平ちゃんの頬を小さな手で撫でる。


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