オタクですけど、何か?~友情編~




◆◇◆

オタクの朝はジョギングから始まる。

そのジョギングから帰って来て直ぐに腕立て伏せ、腹筋、背筋、スクワットを各50回ずつ行ったら、父親と一戦交えて漸く朝食を口にする。

中学に入った時から毎日欠かさず続けているのにはちゃんと理由がある。

大好きな推しである朱美を悪い輩から護る為だ。
※オタクは現実と二次元が入り交じった世界にいます。

万が一、朱美に何かあった時に彼女を護れない様な男じゃ情けない。

だから僕は強くなる為に日々鍛練している。


「うっわ、麻莉緒!!アンタまた頭乾かさないで何してんのよ!変な癖つくから風呂から上がったら必ずドライヤーで乾かせっつってんだろ!!」

シャワーを浴びてから、トーストの良い香りが漂うリビングで朝食を食べていた僕の隣に起きてきたばかりの姉が勢いよく腰掛ける。

いつもケンカ腰のこの口調。乱暴が過ぎる。

外見だけは綺麗にしているみたいだが、心の醜さまでは隠しきれていないようだ。

大きめのTシャツにショーツ姿で大きな欠伸。

人目も気にせず堂々とお尻を掻き、牛乳を一気飲みからの勢いの良いゲップ。

そんな姉を横目でチラリと見て改めて思う。



ガサツだ、と。

だから嫁にいけないのだ、と。

っていうか、貴方、女性でしたっけね、と。


ここまでくると溜め息すら出ない。

しかも困った事にこの姉ときたら低血圧という面倒な設定があるせいで朝は超絶不機嫌なのだ。



< 31 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop