若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
カシャ
扉を閉めたのは、彼。
この部屋に入ったのは、私。
そんなどうでもいいことを考えながら、向葵は夕翔の瞳を見上げた。
ほんとうにいいの?と、また聞かれたら、泣きたくなったと思う。でも彼は、そんな悲しいことは言わなくて、
ただ「向葵、君は可愛いな」と、額にキスをした。
軽々と抱き上げられて、彼の腕の中で見つめたブラケットランプ。
ユラリユラリと揺らめいて、紅い光の糸をひく薔薇の花びらを見つめながら、向葵は夕翔の香りに包まれた。
この甘い香りを、私は忘れないだろうと、思う。
顎をすくう彼の指先も。
初めて触れた彼の髪も、この痛みも全て。
この喜びを、彼が教えてくれた全部。
――私は一生、忘れることはないだろう。
向葵はそう思った。
涙をぬぐう夕翔の優しさに包まれながら……。
扉を閉めたのは、彼。
この部屋に入ったのは、私。
そんなどうでもいいことを考えながら、向葵は夕翔の瞳を見上げた。
ほんとうにいいの?と、また聞かれたら、泣きたくなったと思う。でも彼は、そんな悲しいことは言わなくて、
ただ「向葵、君は可愛いな」と、額にキスをした。
軽々と抱き上げられて、彼の腕の中で見つめたブラケットランプ。
ユラリユラリと揺らめいて、紅い光の糸をひく薔薇の花びらを見つめながら、向葵は夕翔の香りに包まれた。
この甘い香りを、私は忘れないだろうと、思う。
顎をすくう彼の指先も。
初めて触れた彼の髪も、この痛みも全て。
この喜びを、彼が教えてくれた全部。
――私は一生、忘れることはないだろう。
向葵はそう思った。
涙をぬぐう夕翔の優しさに包まれながら……。