若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
まずはアパートに帰って、大家さんに、不在にすることを話さなければならない。いまは旅行だと言って留守を頼んであるが、それだけじゃ済まなくなった。

夏休みの間、住み込みのアルバイトをすることになったと伝えようと思っている。
お世話になっている優しい大家さんに嘘はつきたくないが、金銭の発生する契約妻なので、ある意味嘘ではないはずだ。

夕翔には、今住んでいるアパートを引き払ってマンションに住んだらいいと言われているが、向葵は生活習慣を変える気はなかった。
今までのようにアルバイトをすることはできないけれど、高価な服を着るとか、食事を外食で済ませるようなことはしない。

この結婚生活が契約満了を迎えたとき、元の生活に戻れないのは困る。

――でも。
夏休みの間だけ。

夢のようなひと夏の想い出に、もう少しだけ浸ってもいいよね?

向葵は自分自身に問いかけた。
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