若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
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「先日はありがとうございました。助かりました」
「いいえ。こちらこそ何から何まで、ありがとうございました」
佳織が帰国してから一週間後、ソニオ弁護士事務所に矢神が訪れた。
「どうぞ、珈琲を」
「ありがとうございます」
もとより顧問弁護士であるので、彼が訪ねて来たところで何の不思議もないが、佳織を名指しで来るとなると用件はひとつに絞られてくる。
月井夕翔と向葵の婚姻に関する案件だ。
少なからず請け負ったことを後悔している佳織は、つい背中と口元に力が入る。
そんな佳織の気持ちを知ってか知らずか、矢神は人を食ったようなような不敵な笑みを浮かべて、コーヒーカップに手を伸ばす。
「帰国してから、向葵さんとはお会いしましたか?」
「ええ、まあ」
佳織が旅行から戻ったのは矢神たちの後で、向葵よりも先だった。
結婚式を終えたあと、観光を楽しんでから帰ってきた向葵は、三日前に日本に帰ってきた。そして昨日、佳織に会いに来ている。
「どんな、ご様子でした?」
途端に佳織の眉がピクリと動いた。