若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
「様子? そうですね。なんと答えたらいいのでしょう? 新妻の幸せを噛み締めているように見えたとか? 幸せ一杯で、目がハートだったとか?」

そう答えても、微かに口角を上げただけで、矢神は返事をしない。

そんな矢神をちらりと見た佳織は、不貞腐れ気味に、ため息をついた。
「幸せそうなのは本当ですよ、矢神さん」

あらためてそう言うと自らもコーヒーカップに手を伸ばす。
コクッと口に含んだコーヒーはいつにも増して苦く感じるのは、気持ちを反映してのことだろう。

「それにしては、随分と気に入らないことでもありそうですが?」

言い方はあくまでスマートだが、矢神はお見通しとばかりにまっすぐに見つめてくる。

心の中で佳織はチッと舌を打つ。
――いったい何なのよ。
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