若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
だけど、ひとつだけ叶えてもらえることがある。
結婚式の前の晩。ふたりきりで夕食をとった後、向葵は夕翔に言った。
『夕翔さん。明日結婚式のあと、私を抱いてくれませんか』
――それが唯一のしてほしいことですと、彼に告げたのは私。
二年の契約だということは十分わかっている。それでも本当の妻になりたかった。
だから後悔なんてしない。
パリでのパーティに行ってみてわかった。
彼も彼の周りも、住む世界が違う人々なんだということを。
地位や見た目が違っていても所詮は同じ人間だと心の中では思っていたけれど、そうじゃない。
さりげない身のこなし方、物怖じするなど感じたことなどないであろうゆったりとした佇まい。
彼らは纏う空気から自分とは全く違っていた。