若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
「きっと、もう浮気はしないんじゃないですか」

「そういえば矢神さん、あなたも本当は誰かとここに来る予定だったんじゃないですか」
「まさか。あ、そうそう。はい、あなたにプレゼントです」

「え?」

ネックレスだった。
羽をあしらったチャームにはサファイアが付いている。

「誕生石ですよね? サファイア」

「はぁ……。え? これは」

「はっきり言ってあなたは弁護士に向いてない。感情移入し過ぎです。でも職を失っても大丈夫ですよ、私がいますから」

佳織が見る見る赤くなっていく。

「な、なに言ってるんですか」

「結婚しませんか? 俺と」

「は?」

上司といい部下といい、おかしいでしょ?

――ありえない!
そう心で叫びながらも、胸の奥はときめいてしまう。

「矢神さん、自信たっぷりですよね」

「そんなことないですよ、断られたらどうしようかと、いまもドキドキです」

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