若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
その様子がおかしかったか。彼はクスクスと笑う。
「式といっても、ほんの数人の友人のみの出席ですのでね。結婚式をしないほうが変でしょう? 写真だって必要ですしね」
そう言われると、確かに結婚式をしないのは変なのかもしれない。結婚したのに写真の一枚もないというのもおかしな話だとも思う。
向葵は、うーんと唸った。
半日も雲の上にいたのだから、地上に降りたばかりで頭が上手く働かないのかもしれない。
でも、結婚式という重要な儀式を、突然前日に言われるのはありなのか?
普通そういうことは、何か月も前に決めるのではないだろうか。
――それを言ったら、聞いたその場で婚姻届に印を押した時点で、既に異常なわけだけど。
「おまたせしました。どうぞ」
「あ、はい」
頭の中を混乱させたまま、車に乗った向葵に続きマリーが隣に乗ってきた。でも、「では」と言った矢神は、外からドアを閉じて、スッと車から離れてしまう。
「あれ? 矢神さんは乗らないのですか?」
どうやら予定通りらしい。マリーはええ、と頷いた。
「彼は夕翔さまと合流してから、遅れて来ます。向葵さま、お疲れではないですか?」
「はい。飛行機でぐっすり寝てしまいましたから、大丈夫です」
「式といっても、ほんの数人の友人のみの出席ですのでね。結婚式をしないほうが変でしょう? 写真だって必要ですしね」
そう言われると、確かに結婚式をしないのは変なのかもしれない。結婚したのに写真の一枚もないというのもおかしな話だとも思う。
向葵は、うーんと唸った。
半日も雲の上にいたのだから、地上に降りたばかりで頭が上手く働かないのかもしれない。
でも、結婚式という重要な儀式を、突然前日に言われるのはありなのか?
普通そういうことは、何か月も前に決めるのではないだろうか。
――それを言ったら、聞いたその場で婚姻届に印を押した時点で、既に異常なわけだけど。
「おまたせしました。どうぞ」
「あ、はい」
頭の中を混乱させたまま、車に乗った向葵に続きマリーが隣に乗ってきた。でも、「では」と言った矢神は、外からドアを閉じて、スッと車から離れてしまう。
「あれ? 矢神さんは乗らないのですか?」
どうやら予定通りらしい。マリーはええ、と頷いた。
「彼は夕翔さまと合流してから、遅れて来ます。向葵さま、お疲れではないですか?」
「はい。飛行機でぐっすり寝てしまいましたから、大丈夫です」