若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
コンコンと扉がノックされてマリーが戻ってきた。

マリーはティーポットの他、サンドイッチなどが乗ったトレイを手にしている。

「お待ちする間に、どうぞ召し上がってください。お腹空きましたよね」
「ありがとございます」と言った途端に向葵のお腹が喜んで、グゥと声をあげた。

「あ、すみません、鳴っちゃった」

あははと笑ったマリーは首を振る。

「健康な証拠ですよ。どうぞどうぞ召し上がってください。最近人気の店のものですから美味しいと思います。お口に合うといいんですが。その間に今後の予定などを説明しますね」
「はい」

お菓子もサンドイッチも一口サイズになっている。食べやすいようにという配慮なのだろう。その好意を無駄にしないようにと、向葵は慎重に口に運んだ。

「これからドレスを選び、ブルゴーニュにある月井家のシャトーに行きます。そして明日ですが」

――シャトー?

お城? それとも広大なブドウ園とかあったりしちゃう豪邸?

さすがにもう驚くことはないだろうと思ったのに、またしても衝撃の事実が伝えられた。
城にしろ豪邸にしろ、使用人とかがいる大きな邸には違いないと思うと、緊張で喉の奥が苦しくなる。
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