若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
紅茶で無理やりサンドイッチを流し込んだ時。

「結婚式は十一時からになりますので、お客さまは十時頃からお見えになるでしようし。ガーデンウェディングですから天気が心配でしたが大丈夫そうですね」というだめ押しの一言が向葵を襲った。

「ゴホッゴホッ」

「大丈夫ですか?」

「ゴホッ、あ、はい、だ、大丈夫です」

うたた寝してしまったせいで、明日は結婚式があるということをすっかり忘れていた。

ガーデンウェディングということは、そのシャトーの庭で式を、ということなのだろうか。聞きたいが聞いていいのかわからない。向葵はただ固唾をのんでマリーの言葉に耳を傾けた。

「そのままお客さま方には時間を許す限りゆっくりして頂いて。今回ほとんどのお客さまが、そのままシャトーにお泊りになられる予定ですので夕食も皆さまと――」

友人だけ。
そういえば矢神もそんなことを言っていた。

――ということは、やはり彼の両親は来ないということなのだろう。
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