若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
「よく似合っている」

「……あ、ありがとうございます」

消え入りそうな声でお礼を言う。

彼の手に触れた指先が、まるでそこにも心臓があるのかと思うくらいジンジンと熱い。
お願いだから落ち着いてと言い聞かせるが、震える足がいう事を聞いてくれない。転んだらどうしようと泣きそうになった時、ふいに夕翔の腕が向葵の腰に回された。

そして耳元で囁かく優しい声。
「大丈夫。僕がついているから」

――僕がついているから。

そのひと言で、向葵は体中の骨が溶けてフニャフニャに溶けたと思った。

それから先のことは、よく覚えていない。

『裾はあまり長くないものを。歩きやすいほうがいい。ガーデンパーティだからね』

『ああ、このドレスの方が似合うね』

彼は向葵の目になり、口になり、ずっと寄り添っていてくれて、着替える時以外はずっと隣にいてくれた。
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