若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
彼は結婚を秘密にしなくてもいいと言ってくれたのに、友人にも誰にも知られなくないと言ったのは自分だった。
「夏梨にだけは、見てほしかったなぁ」
――それから、お母さんにも。
そう思ったけれど、でも今はまだ言えない。
突然過ぎて、驚かせてしまうだけだろう。
こんな夢のような話を聞かせても、なにか騙されているんじゃないかと、心配をかけるだけだ。自分でさえ、半信半疑のままなのだから。
ため息をついて、部屋のなかを見渡した。
高い天井に大きな窓。飾られている絵画も猫足の家具も調度品も、歴史を感じるものばかり。まるでタイムスリップでもしたかのような、不思議な気分になってくる。
奥の寝室へ行くと、絵本のように天蓋付き大きなベッドがあった。
「すごい」
うれしくて両手を上げて駆け寄り、大の字になってバサッとベッドにダイブした。
ふかふかで気持ちいい。
シーツからは、ほんのりと薔薇のような香りがした。
ふと、夕翔の香りを思い出す。
車の中で幸せな夢を見たのは、彼の上着に包まれていたからだろう。少し甘く、どこか爽やかな香りだった。
目を閉じて、薔薇の香りと彼の香りを感じ、真新しいシーツの手触りを感じながら向葵は思った。
これは夢と同じ。
現実ではあるけれどずっと続く訳じゃない。
どんなに恋い焦がれても、手を差し伸べても届かない、見果てぬ夢だ。
それでもいいじゃないかと思った。
今のこの幸せを、胸いっぱいに満喫しよう……。
「夏梨にだけは、見てほしかったなぁ」
――それから、お母さんにも。
そう思ったけれど、でも今はまだ言えない。
突然過ぎて、驚かせてしまうだけだろう。
こんな夢のような話を聞かせても、なにか騙されているんじゃないかと、心配をかけるだけだ。自分でさえ、半信半疑のままなのだから。
ため息をついて、部屋のなかを見渡した。
高い天井に大きな窓。飾られている絵画も猫足の家具も調度品も、歴史を感じるものばかり。まるでタイムスリップでもしたかのような、不思議な気分になってくる。
奥の寝室へ行くと、絵本のように天蓋付き大きなベッドがあった。
「すごい」
うれしくて両手を上げて駆け寄り、大の字になってバサッとベッドにダイブした。
ふかふかで気持ちいい。
シーツからは、ほんのりと薔薇のような香りがした。
ふと、夕翔の香りを思い出す。
車の中で幸せな夢を見たのは、彼の上着に包まれていたからだろう。少し甘く、どこか爽やかな香りだった。
目を閉じて、薔薇の香りと彼の香りを感じ、真新しいシーツの手触りを感じながら向葵は思った。
これは夢と同じ。
現実ではあるけれどずっと続く訳じゃない。
どんなに恋い焦がれても、手を差し伸べても届かない、見果てぬ夢だ。
それでもいいじゃないかと思った。
今のこの幸せを、胸いっぱいに満喫しよう……。