バッドジンクス×シュガーラバー
「なっ、なに……?!」

「はあ……おい、そこにいるヤツら! コソコソしてないで、入ってこい!」



深くため息をついた久浦部長が、ドアに向かって声を張り上げた。

部長の言葉に促され、廊下側からガチャリとドアが開く。



「いやー、さすがは久浦部長。バレちゃったかー」

「どうも、お疲れさまでーす」

「何が『バレちゃったかー』だ。あれだけ騒いでおいてバレないと本気で思ったのか?」



悪びれる様子もなく室内に入ってきたのは、えみりさんと牧野さんだ。

呆れ顔の久浦部長に対し、ふたりともニコニコ笑顔を浮かべている。



「俺は一応止めたんですけどね。浅村がどうしてもって言うから、仕方ないなーと」



そう話すのは牧野さんだ。言葉のわりにその表情は楽しげで、返された久浦部長は目を眇めながらデスクに右ひじをつき、そのこぶしに顎を載せる。



「『仕方ないなー』で一緒に覗くおまえも大概だぞ、牧野」

「お邪魔してすみませんね部長。デスクで待っててもどうも落ちつかなくて~」



軽い調子でえみりさんは言うと、目の前にやってくるなりポンポンと私の肩で手のひらを弾ませた。



「憂依ちゃん、よかったねぇ! 部長プレゼン突破おめでとう!」

「えみりさん……」
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