バッドジンクス×シュガーラバー
娘の仕事を我がことのようによろこんでくれるお母さんに、こちらの声音も自然と明るくなる。
若くして私を産んだ彼女はまだ40代後半で、おまけに年齢よりずっと若く見えるパワフルな性格を持つ人物だ。
美容師として自分の店を切り盛りする傍ら、私を女手ひとつでここまで育て上げてくれた。
お母さんに、私の“体質”の話はしていない。
いつも忙しそうにしながら、それでも私の前で笑顔を絶やさない彼女にこれ以上負担をかけるようなことはしたくないと……子どもながらに考えて、ずっと隠していたのだ。
久しぶりの通話で、私たちはしばらくお互いの近況を報告し合う。
そうして話が一段落したところで、私は意を決して本題を切り出した。
「……あの、お母さん」
《んー?》
「いきなりで、気を悪くしたらごめん。……お父さんの話が、聞きたいの」
思いきって言うと、お母さんが息を呑んだのがわかった。
私は勢いのまま続ける。
「お母さんとお父さんが、どうして別れたのかとか……そういうの、全然聞いたことなかったと思って。……あの、でも、お母さんが言いたくなかったら、別に……」
話しながら怖気付いてきて、だんだん言葉が尻すぼみになってしまった。
少しの間のあと、お母さんがふっと笑う気配がする。
若くして私を産んだ彼女はまだ40代後半で、おまけに年齢よりずっと若く見えるパワフルな性格を持つ人物だ。
美容師として自分の店を切り盛りする傍ら、私を女手ひとつでここまで育て上げてくれた。
お母さんに、私の“体質”の話はしていない。
いつも忙しそうにしながら、それでも私の前で笑顔を絶やさない彼女にこれ以上負担をかけるようなことはしたくないと……子どもながらに考えて、ずっと隠していたのだ。
久しぶりの通話で、私たちはしばらくお互いの近況を報告し合う。
そうして話が一段落したところで、私は意を決して本題を切り出した。
「……あの、お母さん」
《んー?》
「いきなりで、気を悪くしたらごめん。……お父さんの話が、聞きたいの」
思いきって言うと、お母さんが息を呑んだのがわかった。
私は勢いのまま続ける。
「お母さんとお父さんが、どうして別れたのかとか……そういうの、全然聞いたことなかったと思って。……あの、でも、お母さんが言いたくなかったら、別に……」
話しながら怖気付いてきて、だんだん言葉が尻すぼみになってしまった。
少しの間のあと、お母さんがふっと笑う気配がする。