バッドジンクス×シュガーラバー
話しながら、堪えきれず涙が浮かぶ。

本当はずっと後ろめたかった。

異性だけじゃない。私は、自分の母親にすら不幸を呼び寄せてしまったんじゃないかって。

私は──自分に優しくしてくれる人たちにとって、疫病神みたいな存在なんじゃないかって。

せめて嗚咽が漏れてしまわないよう、きつく目を瞑った私は唇を噛んで必死に耐える。

数秒続いた無言のあとで、お母さんがポツリとこぼした。



《……馬鹿ね、憂依。ずっと、そんなふうに考えてたの》



その声音が、どうしようもなく優しくて。私は思わず、ハッとまぶたを開けた。



《言っておくけど、憂依のことでお父さんと揉めたなんて教育方針くらいよ? そもそもあの人、憂依のこと溺愛してたじゃない》

「え……」

《まあ、あんたを前にすると締まりないデレッデレの顔になっちゃうのが恥ずかしくて、いっつもわざとしかめっ面してたから……ただでさえちょっといかつい地顔してたし、あんまり伝わってなかったのねぇ》
< 137 / 241 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop