バッドジンクス×シュガーラバー
予想もしなかった話に、ついぽかんとしてしまう。

笑い混じりで、お母さんはさらに続けた。



《それに、あの事故のときだって……意識が朦朧とするくらい痛い思いしてるっていうのに、救急車の中で『大事な娘を守れてうれしい』って、笑ってたんだから。憂依はあのとき泣きじゃくってそれどころじゃなかったから、知らなかったんだろうけど》

「そっ、え、ほんと……?」

《こんなことで嘘言うわけないでしょ》



あっさり返されて、また私は呆然と押し黙る。

……本当に? 私は、お父さんに嫌われてなかったの……?



《お母さんとお父さんが離婚を決めたのは……お互い仕事を大事にしすぎてすれ違って、“夫婦”でいることに価値を見いだせなくなっちゃったから。あんたのせいだなんてことは、1ミリもないの》



そうキッパリ言いきったお母さんが、ふと吐息混じりに苦笑する。



《……ごめんね、憂依。あんたは昔から、聞き分けのいい子だったから……言葉が足りなくて、余計なことまで背負わせちゃったのね》

「ちが、違うよ、私が勝手に、決めつけて……っ」

《そうね、お互いさまだわ。だから今度からは、ちゃんと思ったことは全部話して。私たちは、母娘(おやこ)なんだもの》
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