バッドジンクス×シュガーラバー
その言葉に、私はにじんだ涙をぬぐいながら「うん」とうなずいた。

今までだって、私たちは仲のいい家族だった。

だけどこれからは、もっと深く、心からの言葉で話せる気がする。

自然と頬を緩めていた私に、電話口のお母さんが少し緊張した様子で話し始めた。



《ねぇ、憂依。私もずっと気になってたんだけど……私は、お母さんたちのせいで憂依が恋愛とか結婚に希望を持てなくなっちゃったんじゃないかって、それが心配だったの。これまでずっと、憂依からそういう話題聞いたことなかったし》

「へ」



予想外の言葉に驚いて、目を丸くする。

相手には見えないとわかっていながら、私はブンブンと首を横に振った。



「そんな……お母さんたちのせいでなんて、そんなことはないよ! ただ、これまでずっと縁がなかっただけで……」

《ほんと? じゃあ、今は? 同じ職場の人とか、誰かいい人いないの?》



なんだか急にノリノリになってきたお母さんの質問に、固まる。

直後、脳内にはなぜか意地悪に微笑む久浦部長の姿が思い浮かんで、動揺のあまり「ふぇっ」と小さく声が漏れた。
< 139 / 241 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop