バッドジンクス×シュガーラバー
「部長……その、部長たちのおじいさまは……?」



彼女の仕草や表情から、完全に悪い想像をしていることがうかがえる。

俺はその憂いを払拭するようあっけらかんと答えた。



「ああ、今はもうピンピンしている。かなり軽度の脳卒中で済んで、2週間ほど入院したあと退院することができた。本当にもういい歳ではあるんだが、しょっちゅうあちこちひとりで自由に旅行しているらしい」

「ちなみに今は、湯布院に行ってるわよ~」



のんびりと付け足した菜乃花の言葉も後押しになったようで、小糸がホッと表情を緩める。

とはいえ、俺だって祖父が倒れて入院したと聞いた瞬間は悪い想像ばかりが頭を巡り、呆然としてしまったものだ。

結果的に無事で済んだとはいえ、もう90歳を過ぎている祖父はいつ何が起きたっておかしくない。

そんな大事な場面で、仕事ばかりを優先していた俺は──実の弟に呆れられるのも、無理はないのだと思う。

過去の自分の行動を心から申し訳なく思いながら、テーブルに視線を落とした。
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