バッドジンクス×シュガーラバー

「小糸」



週末2日間の休みが明け、月曜日の朝。

出勤したてで自分のデスクにつくところだった私は、椅子を引こうと背もたれに手を置いた瞬間聞こえた声に身体をこわばらせた。

しかも、自分を呼んだ人物はわざわざ傍らへとやって来ている。

すぐそばで立ち止まった気配に、息を呑んでからそろりと視線を向けた。



「……おはようございます。なんでしょうか、久浦部長」

「おはよう。突然で悪いが、今日の15時頃に【茶匠 ひさうら園】の社長と担当者がもうひとり、ここへ打ち合わせに来ることになった。俺も同席するが、対応頼めるか?」

「あ……はい。大丈夫です」



たしかに突然ではあるが、スケジュール的には何とかなる。

うなずいた私を見て、久浦部長はどこか申し訳なさそうな顔をしながら「悪いな」ともう1度繰り返した。



「ちょうど別件の用事で、こっちに出てくる予定ができたらしい。俺もゆうべ突然聞かされたんだ」



軽くため息をついたあと、まるで内緒話をするように顔を寄せてきて声をひそめる。
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