バッドジンクス×シュガーラバー
……私の、せい?

私が……好きになんて、なったから。

特別だと、思ってしまったから。



「やだ……部長、やだあ……っ」



ごめんなさい。ごめんなさい。

神様でも、天使でも、死神でも、悪魔でもいい。どうか、この人を助けてください。

私は、いくらでも不幸になっていいから──この人だけは、助けてください。

頬をつたって流れたしずくが、熱を持ったアスファルトに染みを作る。

次から次へとあふれ出る涙を拭うこともせず、私は必死で祈った。



「ひさ……っ久浦部長、目を、開けて……っ」



だって。

私は、まだ──……。



「まだ、私……っあなたに好きって、伝えてない……!!」



ぐちゃぐちゃに濡れた顔で。嗚咽混じりの声で。

初めて自分の気持ちを言葉にした、そのときだ。



「今の、本当か?」



唐突に聞こえた声に、私はピタリと動きを止めた。

両手を地面につき、みっともなく泣きじゃくっていたその顔のまま、声の出どころを唖然と見下ろす。



「ぶ、ちょう……?」



仰向けになった久浦部長が、目を開けてこちらを見つめていた。

呼んだきりまた言葉を失った私へ、部長は「なんだ?」とやけに呑気な返事をする。
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