バッドジンクス×シュガーラバー
なのに今の状況は、その強みをもってしてもあまり芳しくない。
涙を流しながら俺の無事に安堵していた小糸に、俺は「今後は他の男にしているように自分を避けなくてもいい」と伝えた。
あの言葉の裏には、『俺だけとは普通に話せ』という独占欲をひそませていたわけだが──そこまで言ったにもかかわらず、あの日以降も俺に対する小糸の態度はほとんど変わっていない。
いや、たしかにほんの少しだけなら、目が合うようになった気もしないわけではないが。
それでも相変わらず、彼女は長い前髪と黒縁メガネのヨロイで自分の表情を隠しながら、必要最低限のやり取りのみを交わすだけでそそくさと逃げるばかりである。
まさか俺が向ける好意に気がついたか?とも考えたが、小糸はキスの理由を単におもしろがってしただけだと思い込んでいるようだったので、おそらくそれはないだろう。
あのキスは、彼女に惹かれる自分を抑えきれず衝動的にしたもの。
たとえ理由を聞かれたって「したいと思ったからした」と答える他ないくらい、単純な行動だ。
あとになって、さすがにまずいことをしてしまったと思ったのだが……。
翌日会った彼女は怒ったり嫌悪感を表すどころか俺の心配ばかりしていて、少なくとも嫌われてはいないのだろうとひそかに安心した。
涙を流しながら俺の無事に安堵していた小糸に、俺は「今後は他の男にしているように自分を避けなくてもいい」と伝えた。
あの言葉の裏には、『俺だけとは普通に話せ』という独占欲をひそませていたわけだが──そこまで言ったにもかかわらず、あの日以降も俺に対する小糸の態度はほとんど変わっていない。
いや、たしかにほんの少しだけなら、目が合うようになった気もしないわけではないが。
それでも相変わらず、彼女は長い前髪と黒縁メガネのヨロイで自分の表情を隠しながら、必要最低限のやり取りのみを交わすだけでそそくさと逃げるばかりである。
まさか俺が向ける好意に気がついたか?とも考えたが、小糸はキスの理由を単におもしろがってしただけだと思い込んでいるようだったので、おそらくそれはないだろう。
あのキスは、彼女に惹かれる自分を抑えきれず衝動的にしたもの。
たとえ理由を聞かれたって「したいと思ったからした」と答える他ないくらい、単純な行動だ。
あとになって、さすがにまずいことをしてしまったと思ったのだが……。
翌日会った彼女は怒ったり嫌悪感を表すどころか俺の心配ばかりしていて、少なくとも嫌われてはいないのだろうとひそかに安心した。