バッドジンクス×シュガーラバー
そこで吉永さんが、とっさに言葉を返せず下唇を噛んで押し黙る。

意外にも、彼女はわかりやすい。首の後ろに手のひらを回し、俺は軽くため息を吐いた。



「月曜日の打ち合わせで、やたらと睨まれているような気はしていたが……きみは、小糸の保護者か何かか?」



つい呆れ口調になった俺と目を合わせようとしないまま、吉永さんはますます苦々しく顔をしかめている。



「友人です。……大事な」

「そうか。友人からそんなに大事に想われて、小糸は幸せ者だな」



本心からそう漏らしたのに、当の吉永さんには「馬鹿にしてるんですか?」と睨まれてしまった。一体どうしろと言うんだ。

思わずまた深く息を吐き出しそうになるのをなんとか堪えていた俺に、ポツリと彼女が言う。



「……本気なんですか?」



ここでのやり取りの間で、俺が小糸に抱いている特別な感情に気がついたようだ。

俺はわざと、挑発的に笑ってみせた。
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