バッドジンクス×シュガーラバー
向けられた微笑みと激励に、気づけば声を張って返事をしていた。
久浦部長はまた笑みを深めると、再び前を向いて今度こそ去っていく。
だんだんと遠ざかる後ろ姿を見つめながら、部長からもらったミルクティーを握りしめる手に無意識に力がこもった。
『背が高くて、険しい顔をしてることが多くて、ちょっと口調が強くて……でも、ちゃんと優しいところ……』
歓迎会があったあの晩、無礼にも自らの父親と上司を並べてそんなことを言ったのは、紛れもなく自分だ。
……そう、久浦部長は、優しい。
ちょっと顔がこわくて、口調も荒っぽくて、大胆不敵なことろもあるけれど……その実、私のようなただの部下にも細やかな気遣いができる親切で情の深い人だと、出会ってから1ヶ月程度の自分にもそれは伝わっている。
だけど今、私の胸に灯ったこのあたたかい想いは──本当に、お父さんに対して感じたのと、同じものだろうか?
ほわりと心を包んでくれるような、やわらかなものとは違う。この、急激に体温を上げて鼓動を速めてしまう、気持ちは。
「……顔、あつ……」
独り言のようにつぶやきながら、手の中のペットボトルをそっと持ち上げて頬にあてる。
火照った肌に、冷えた感触が心地よかった。
久浦部長はまた笑みを深めると、再び前を向いて今度こそ去っていく。
だんだんと遠ざかる後ろ姿を見つめながら、部長からもらったミルクティーを握りしめる手に無意識に力がこもった。
『背が高くて、険しい顔をしてることが多くて、ちょっと口調が強くて……でも、ちゃんと優しいところ……』
歓迎会があったあの晩、無礼にも自らの父親と上司を並べてそんなことを言ったのは、紛れもなく自分だ。
……そう、久浦部長は、優しい。
ちょっと顔がこわくて、口調も荒っぽくて、大胆不敵なことろもあるけれど……その実、私のようなただの部下にも細やかな気遣いができる親切で情の深い人だと、出会ってから1ヶ月程度の自分にもそれは伝わっている。
だけど今、私の胸に灯ったこのあたたかい想いは──本当に、お父さんに対して感じたのと、同じものだろうか?
ほわりと心を包んでくれるような、やわらかなものとは違う。この、急激に体温を上げて鼓動を速めてしまう、気持ちは。
「……顔、あつ……」
独り言のようにつぶやきながら、手の中のペットボトルをそっと持ち上げて頬にあてる。
火照った肌に、冷えた感触が心地よかった。