恋愛漫画に憧れちゃダメですか?

「高梨さん、これ入力できる?」

『はい。』

これが私の直属の上司。
畑中 真知子(はたなか まちこ)

何気にお母さんみたいで好き
御歳50歳のベテランさん。

『あ、そういえば、今日から新しくうちの部署に入るんですよね?』

「あー。そうね。まだ挨拶に来てないってことは課長の話が長引いてるのかしら。」

うちの課長は話が長くて有名だからな。

『でも、うちの部署に入るなんて私以来ですね。』
そう、うちの部署は仕事量が多い割に人が少ないし、なかなか人手がこなくて有名だ。

「そうね、でも一応本社だから出世株らしいわよー。今年24歳の出来る子だって聞いてるわ」

『へー。』

「あら?高梨さん狙ってるの?」

『なわけないですよー。』

どうせ出来るやつなんて言ったら、イケメンなわけもなく、性格も期待できない。

「そーなの?あ、でもうちの部署に配属にはなるけど、仕事に関しては企画をやるそうよ。だから事務作業してる私たちにはあんまり関わりないかもね。」

ふー。と息をついて畑中係長は電話をとる。

ザワザワ)

なんか、男が来るってだけで女の子はお化粧気にしてたり鏡もってたり大変ねー

出会いがあったって何も期待しない方がマシだと思うけどなー

もううんざりなんだよ、期待して失望して

結局自分って痛いやつなんて思う羽目になる。
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