恋愛漫画に憧れちゃダメですか?

本当は高校生の時に出会いはあった。

1個上の先輩。

好きになったりして、LINEだって交換して。

デートだって3回もしたし、よし、もう告白してもいいよねって決心もした。

でも、告白しようと思ってた日に見ちゃったんだよ。

先輩がキスしてるの。

馬鹿だった。

先輩の悪いウワサなんて聞かないようにしてて、友人からもやめた方がいいとか言われてたのに無視してた。

好きになると盲目になってしまう。

恋愛漫画みたいに一途で素敵な恋なんかなかった。

先輩は女たらしで有名だったし、

私の馬鹿さ加減に嫌気がさした。

もう期待しない。

自分には見る目がないのだ。

「ーーし、高梨さん!」

『は、はい!』

やばい!自分の思考に浸ってしまった!
悪い癖だ!
なんて痛いやつだ!自分!

「大丈夫?もうすぐ課長来るからね」

『はい。すみません。』

畑中係長に言われ、服装を正して作業を再開しようとしたときーーー

ガチャッ

一斉にドアに注目が集まる。

「おはよう!」

でてきたのはハゲ頭のハゲ課長こと沢村課長と

「おはようございます」



20年の人生の中で見たことの無いイケのメンな男の人だった。


ぐおおおおっ

なにか、なにかミーハーな心が掴まれてしまう

「ぇ、いけめんじゃない??」「やばい!やばい!」

どこからか女の子たちの会話が耳に入る。

まじか、この世にこんなことが有り得るのかよ。

「今日から配属されることになった、寺島 環(てらしま たまき)です。よろしくお願いします。」

おお、私にはわかるぞ。
こやつ、頭を下げるのが苦痛と言わんばかりの無表情をしておる。

「やっばい、イケメンな上にクールだよー(ヒソヒソ)」

いやまて、女子たち!
ヒソヒソと書いとけば呟いてるふうになるだろみたいに思ってるかもしれんが、ばっちり聞こえとるだろこれ

ギロッ


ぞわっっとするような悪寒が走る。

寺島くんは女子たち(私も含め)を睨んでいる









いや、私何も言ってないってば!!!!!





なんか理不尽だぁあああ








そんなこんなで王子様的なかっこよさをもつ寺島くんに出会って5分で嫌われた憐れな女子たち。
そして巻き込まれた私の理不尽な社蓄生活が始まろうとしている。





ーーーーーーーーいやまって!
やっぱ理不尽だよ!?



ーーーーーーとりあえず1章おわり。ーーーー
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