売れ残りですが結婚してください
公園でシュウと別れると翠はまっすぐ家に帰った。

「ただいま〜」

家に帰ると普段なら「おかえり」と言う声だけが聞こえるのだが今日は違っていた。

「おかえり〜今日はちょっと遅かったんじゃない?」

シュウと話をしていたとは言えるわけがない。

「友達と偶然会ってちょっと話をしていたの」

シュウと友達になったのは嘘ではない。

「そうなんだ。そんなことよりちょっとこっちに来て」

母の冴子は翠の手を引っ張った。

「何?」

「いいからいいから」

ニヤニヤする冴子の表情に翠は嫌な予感しかしなかった。

リビングでは唯と育の姿もあった。

「どうしたのみんな揃って……」

家族全員揃う時って何か話し合いがあったりすることが多い。

だが父の忠明だけはなんだか機嫌が悪そうだ。

もしかして自分のいない間に何かあったのか?と翠は不安になった。

と言うのも翠を除く母の冴子、姉の唯、妹の育は口が達者で、この3人にかかると父は絶対に勝てないのだ。

だがそうではないことに気づく。

リビングのテーブルの上がすごいことになっていたからだ。
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