売れ残りですが結婚してください
車に乗ること20分。

大きな公園のようなところに美術館はあった。

でも翠が想像していたよりもかなり小さな美術館だった。

だがガラス張りで、その周りを囲むように人工の池がありとてもおしゃれだった。

「常設展は地元の画家の作品展みたい。特別展は写真展なんだけど……いいかな?」

「はい」

チケットを購入し中に入ると常設展では地元の画家の作品が展示されていた。風景画や人物画がある中一際目立ったのはひまわり畑の絵だった。

一面ひまわり畑の中、大きなツバの帽子をかぶった少女が一輪のひまわりを両手で持って立っているものだった。

翠はその絵がとても気に入ってしまったようでその場から離れようとしなかった。

「気に入った?」

「はい。少女がすごく大切な人に持っているひまわりをあげようとしているのでしょうか、s乗除の誰かを見ているその柔らかい表情がすごく素敵だなって思って……ってごめんなさい。また夢中になってました」

ペコペコ頭を下げる翠にシュウは首を横に振った。

「いいんだよ。僕も翠が幸せそうに絵を見ている姿を見れたから」

「え?」

(今のは友達として言われたんだよね?)

自分にそう言い聞かせるが、シュウの翠を見つめるめがまさに絵の中の少女と同じだったことに翠の胸はドキドキしていた。

だがドキドキはこれで終わったわけではなかった。
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