求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
二時間後――。
私と上原課長は、会社からほど近い総合病院の待合室にいた。
背中から階段にダイブしかけたが、上原課長が階段に手をついてくれ、転がり落ちずに済んだ。
私は転倒しかけた際、膝を擦りむいた程度。一方、上原課長は右手にヒビが入ってしまった。
一通りの検査を済ませて会計窓口で名前を呼ばれるのを待つ最中、私は深々と頭を下げる。上原課長の手首に包帯が巻かれている。それは実に痛々しかった。
「上原課長。本当に……すみませんでした」
「謝らないで。俺も悪かったんだから」
彼が使える左手をひらひらと振り、柔らかく微笑する。
こんな状況でも優しいだなんて、上原課長って神様みたいだな。
事故の後、私達は病院に直行した。だから社内の様子は分からないものの、すごい騒ぎになっていそうだ。
先程会社に怪我の報告をしたところ、電話越しの部長は呑気にもこう言った。