求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
『上原君がピキッて、ヒビが入っただけでよかったじゃないか』

お気楽な人だとは薄々気づいていたが、今回ばかりは心底呆れた。

この状況下で『よかった』とか、肯定的な言葉を使って欲しくない。私が無茶をしなければ、こんなことにならなかった。

もし上原課長が嫁入り前の女性ならば、

『娘に何してくれる! 責任を取って結婚しなさい!』

そんな風に彼のご両親に恫喝されてもおかしくない。いや、性別は関係なしに傷物にしたのだから、責任は取らないといけないだろう。

責任取って上原課長と結婚する? でも、それって美味しいよね? 全然、ペナルティじゃない!
ダメだあ、他の手を考えないとだ。

待合室のソファで頭を思い悩むと、不意に傍らの上原課長の視線が気になった。

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