異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
公爵の部屋で余ったおはぎを振舞う。
「うまいぞ。これがあんこか。だんごの上に載せてもよさそうだ」
ジリンは本当にだんごが好きだ。メグミはここでやっと顔の硬直が解けて笑う。
「そういう形にもできます。おまんじゅうの中にも入れられますし、葛と一緒にすることもできます」
「おぉ、広がるのう」
ばたんっとドアが開いたのでそちらを見ると、息を速くしたローズベルが立っていた。貴婦人は走らないと聞いていたのに、駆けて来たのだろうか。
「ノックはどうしたんだね。行儀が悪いぞ」
父親の咎める言葉には微塵も耳を傾けず、すたすたとメグミの前へ来たローズベルは言った。
「おはぎっていうのを作ったんですって? 私の分は? 残っているでしょうね」
「はいっ」
メグミは満面の笑みで答える。ほしいという言葉は言われていないが、これは嬉しい要求だった。
「うまいぞ。これがあんこか。だんごの上に載せてもよさそうだ」
ジリンは本当にだんごが好きだ。メグミはここでやっと顔の硬直が解けて笑う。
「そういう形にもできます。おまんじゅうの中にも入れられますし、葛と一緒にすることもできます」
「おぉ、広がるのう」
ばたんっとドアが開いたのでそちらを見ると、息を速くしたローズベルが立っていた。貴婦人は走らないと聞いていたのに、駆けて来たのだろうか。
「ノックはどうしたんだね。行儀が悪いぞ」
父親の咎める言葉には微塵も耳を傾けず、すたすたとメグミの前へ来たローズベルは言った。
「おはぎっていうのを作ったんですって? 私の分は? 残っているでしょうね」
「はいっ」
メグミは満面の笑みで答える。ほしいという言葉は言われていないが、これは嬉しい要求だった。