異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
一週間後。
午餐のあとのお茶の時間に国王に出す予定が組まれた。
調理時間次第で、王城へゆっくり行くこともできるのだろうが、メグミが選んだ豆大福の場合、そうもいかない。
保安上の問題から、作ったものを外から運び入れるのは禁じられていた。選考することを考えれば、誰が作ったかをはっきりさせるためにも、当日王城で作成するという絶対条件がある。
あんこにしても、それを包む赤えんどうを含んだ餅にしても、ある程度寝かせる時間が必要なので、メグミは早朝に王城へ向かったのだ。
四回目になる調理場で、緊張しながら赤えんどうを茹で、餅を用意してゆく。小豆もあくを取りながら作り、丸めてバットの上に並べた。提供する時間になる直前にえんどうの入った餅で包む。これが結構難しい。あんこが上手く収まらないからだ。
丁寧に丸くして三個並べると、どこか可愛い感じに見えてメグミは達成感と共に笑ってしまった。
――おいしそうっていうより、可愛いじゃない? 三個っていうのが、何だかおだんごみたい。
自分が作った和菓子を前に、ふふっふふっ……と肩を上げ下げしながら笑うメグミは、端から見れば相当奇妙な人だったに違いない。
午餐のあとのお茶の時間に国王に出す予定が組まれた。
調理時間次第で、王城へゆっくり行くこともできるのだろうが、メグミが選んだ豆大福の場合、そうもいかない。
保安上の問題から、作ったものを外から運び入れるのは禁じられていた。選考することを考えれば、誰が作ったかをはっきりさせるためにも、当日王城で作成するという絶対条件がある。
あんこにしても、それを包む赤えんどうを含んだ餅にしても、ある程度寝かせる時間が必要なので、メグミは早朝に王城へ向かったのだ。
四回目になる調理場で、緊張しながら赤えんどうを茹で、餅を用意してゆく。小豆もあくを取りながら作り、丸めてバットの上に並べた。提供する時間になる直前にえんどうの入った餅で包む。これが結構難しい。あんこが上手く収まらないからだ。
丁寧に丸くして三個並べると、どこか可愛い感じに見えてメグミは達成感と共に笑ってしまった。
――おいしそうっていうより、可愛いじゃない? 三個っていうのが、何だかおだんごみたい。
自分が作った和菓子を前に、ふふっふふっ……と肩を上げ下げしながら笑うメグミは、端から見れば相当奇妙な人だったに違いない。