異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
粒あんを入れた生菓子も出していた。そちらは、一個ずつ手で細工をするのでたくさんできないから、最初から注文は受けないということになっている。空いた場所には、ケーキが入る。テーブルの上が空くと貧相になるので、最初からそういう予定になっていた。
たくさん作った栗羊羹はまだ十分手元に残っている。どうなっているのだろう。
――どうしてかな。誰も食べないなんてこと、ないよね?
いたたまれない。料理も不足してくると厨房から運ばれるので、誰も彼もが忙しそうだ。そして通り過ぎるときに、ちらりとメグミを見てゆく。
堪らなくなったメグミは、大広間へ行ってそっと覗いてくることにした。
彼女は料理人たちと同じ衣服を着ている。長い黒髪は一つに括って頭の後ろだ。そういう者がうろうろしてはいけないと分かっていたが、どうしても様子が知りたかった。
たくさん作った栗羊羹はまだ十分手元に残っている。どうなっているのだろう。
――どうしてかな。誰も食べないなんてこと、ないよね?
いたたまれない。料理も不足してくると厨房から運ばれるので、誰も彼もが忙しそうだ。そして通り過ぎるときに、ちらりとメグミを見てゆく。
堪らなくなったメグミは、大広間へ行ってそっと覗いてくることにした。
彼女は料理人たちと同じ衣服を着ている。長い黒髪は一つに括って頭の後ろだ。そういう者がうろうろしてはいけないと分かっていたが、どうしても様子が知りたかった。