異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
周囲を見回して、なにかないかと目で捜したメグミは、ベルガモットが使っている作業台の上に載った大皿に、山盛りになった赤い果物を見つける。
――ラズベリー? ……違う。季節を考えれば、苺じゃないかしら。小さ目だけど、あの赤味。しっかり熟しているわ。
近寄ると、ベルガモットが近くの料理人を集めて、なぜ今の段階でここに山盛りになった苺があるかの説明をするところだった。
「隣国の王太子の土産だそうだ。陛下が、食べられるようにしてすぐに出せと仰せになった。このまま出しても芸がない。これを今から見栄えを整えたデザートにして、テーブルに出す。メグミ、いいな?」
「…………」
栗羊羹が置いてあった場所に出すということだ。すぐに返事ができなかった。
わらわらと集まった料理人たちが驚いた顔でベルガモットに訊く。
「え、いまから作るんですか?」
「そうだ」
メグミは赤い山盛りの苺から目が放せない。
――苺。そう、そうよ。これだ。
――ラズベリー? ……違う。季節を考えれば、苺じゃないかしら。小さ目だけど、あの赤味。しっかり熟しているわ。
近寄ると、ベルガモットが近くの料理人を集めて、なぜ今の段階でここに山盛りになった苺があるかの説明をするところだった。
「隣国の王太子の土産だそうだ。陛下が、食べられるようにしてすぐに出せと仰せになった。このまま出しても芸がない。これを今から見栄えを整えたデザートにして、テーブルに出す。メグミ、いいな?」
「…………」
栗羊羹が置いてあった場所に出すということだ。すぐに返事ができなかった。
わらわらと集まった料理人たちが驚いた顔でベルガモットに訊く。
「え、いまから作るんですか?」
「そうだ」
メグミは赤い山盛りの苺から目が放せない。
――苺。そう、そうよ。これだ。