異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
ベルガモットの正面に立ったメグミは提案する。
「抹茶パフェはどうでしょうか。あんことクリームと抹茶シロップ。そして苺を載せれば形は整います」
「パフェ? なんだそれは」
「あ、あの、故国のデザートで、背の高いグラスに果物やクリームを入れたものです。あんこを加えて抹茶シロップを掛ければ和菓子風味でいけます」
ベルガモットはすぐに概要を理解した様子で、さらに訊いてきた。
「抹茶シロップとは何だ?」
つい先ほど作った抹茶シロップをベルガモットに見せる。
「緑か……! シロップという限りは甘いんだな」
「はい。赤い苺がきっとすごく目立ちます。あんこも使えます。粒あんです」
色合いはたぶん問題ないだろう。あとは容器を何にするかだ。それはベルガモットが即断した。
「カクテルグラスを使う。今から食べるのにそれくらいが適量だろう。他に加えられそうなものは……」
「白玉があります。白玉粉から作ったもので、白玉粉はもち米から……」
「完成形を一つ作れ。それで決める」
細かな説明などいまは用無しだったらしい。メグミはすぐに円錐を逆さにした形のグラス――カクテルグラスに、クリームと白玉、粒あんを入れ、抹茶シロップを掛けてから半分に切った苺を載せた。
縦半分にした苺は、もちろん赤い方を外側にして載せる。
グラスが小さいので、たとえば寒天があったとしても載せられなかっただろう。それに、夜会で出されている最高級料理を食べた人たちには、これくらいがちょうど良い量と味になるに違いない。
「抹茶パフェはどうでしょうか。あんことクリームと抹茶シロップ。そして苺を載せれば形は整います」
「パフェ? なんだそれは」
「あ、あの、故国のデザートで、背の高いグラスに果物やクリームを入れたものです。あんこを加えて抹茶シロップを掛ければ和菓子風味でいけます」
ベルガモットはすぐに概要を理解した様子で、さらに訊いてきた。
「抹茶シロップとは何だ?」
つい先ほど作った抹茶シロップをベルガモットに見せる。
「緑か……! シロップという限りは甘いんだな」
「はい。赤い苺がきっとすごく目立ちます。あんこも使えます。粒あんです」
色合いはたぶん問題ないだろう。あとは容器を何にするかだ。それはベルガモットが即断した。
「カクテルグラスを使う。今から食べるのにそれくらいが適量だろう。他に加えられそうなものは……」
「白玉があります。白玉粉から作ったもので、白玉粉はもち米から……」
「完成形を一つ作れ。それで決める」
細かな説明などいまは用無しだったらしい。メグミはすぐに円錐を逆さにした形のグラス――カクテルグラスに、クリームと白玉、粒あんを入れ、抹茶シロップを掛けてから半分に切った苺を載せた。
縦半分にした苺は、もちろん赤い方を外側にして載せる。
グラスが小さいので、たとえば寒天があったとしても載せられなかっただろう。それに、夜会で出されている最高級料理を食べた人たちには、これくらいがちょうど良い量と味になるに違いない。